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ふふっ……

Transcription

  1. ふふっ……

  2. ……

  3. 結局ここまで来たんだな?待ってたぞ。

  4. …わお、アタシそっくりじゃん。真っ黒だけど。

  5. それはアタシはアンタの影だから、見た目が同じなのは当たり前だろ?

  6. で?アンタは何?なんで急に現れた?それとここはどこだ?

  7. さあな、アタシにも正確にはわからない。とりあえず、ここはアンタの心の中の深~いトコロだ。

  8. 強制的に実験されたせいで生まれたオマケみたいなもんか…ゴミが体のなかにあるみたいで気に入らないな……

  9. まぁ、いいや。とにかくよろしく。ちょうどいい機会だし、ちょっと話そうよ。

  10. ふふっ、どうした?「よろしく」なんてらしくない。アタシはゴミなんだろ?

  11. でも他人じゃないんだろ?じゃあケンカしても仕方ないだろ。

  12. ははは…大人しくしてるアンタってのもなかなか新鮮だな。それで?何を話したいんだ?

  13. そりゃあもちろん今より強くなる方法だよ。

  14. アタシの中にいるんだから、アタシのこと何か知ってるだろ?さっさと吐け。

  15. これ以上強くなりたいのか?今でも十分強いだろ?

  16. カネとチカラはあればあるほどいいんだよ。

  17. そんな理由?

  18. そんなに中身がないんなら、一個くらい信念を持ってみろ。

  19. 何かの為に行動する芯を持ってみろってコト。

  20. 信念ねぇ……考えたことないな。敵をとにかくぶっ殺す、死なない…そんなことしか考えて生きてこなかったから。

  21. ただ流されてばかりの人生だったと思う。アタシをこんな風にした奴らがもう死んでたって聞いた時は、ほんと虚しかったな。

  22. 信念……確かにそんなもんがあれば、虚しくもなかったかもだ。んじゃあ、何を信念にしたらいい?

  23. バカか?信念はそんなもんじゃないだろ。自分で考えるもんだ。

  24. すでに信念は心に宿ってる。それを自分で見つけ出せ。

  25. すでに宿ってる?ホントか?どんな信念かアンタは知ってんのか?

  26. なんでアタシに聞いてくるんだ……

  27. 信念…信念……カネをたくさん稼ぎたいってのはあるケド……

  28. カネはアンタにとってただの手段だろ。

  29. ふぅ……まぁ、アンタが言ったこと考えとくよ。

  30. 主人公:

    - 仮想戦闘訓練の最後の日、エフネルが俺のもとを訪ねてきた。

  31. エフネル:

    お財布くん、今日は個人的な用で来た。まぁ用っていうより、相談に近いけど。

    1. 相談ならいつでも歓迎だよ。
  32. エフネル:

    ねぇ、アンタから見て、アタシはどんな信念を持ってると思う?

    1. …これは真剣に答えないといけないみたいだね。
  33. エフネル:

    当然だろ?こっちは馬鹿話をしに来たわけじゃないんだ。

    1. 正直言って君から信念は感じないね。
  34. エフネル:

    まぁ、そうだよな。アタシもそう思う。

  35. エフネル:

    信念がなくても強いなら別にいいってアタシは思う。でも、それってただ強いってだけだろ?

  36. エフネル:

    もちろん、どれだけ強くなってもカネが貰えなかったら戦わないケド。

    1. 逆に正当な対価さえ貰えれば何でもするの?
  37. エフネル:

    勝手にアタシを解釈すんな。いくらカネを積まれても、何でもするわけじゃない。

    1. 今日はみんなに話を聞いてもらったら?
    1. エフネルが真剣に悩んでるなら、きっと喜んで聞いてくれるよ。
  38. エフネル:

    そうだな。ちょっくら聞いてくる。結局アンタはなんの参考にもならなかったってワケだ。

    1. そういうのは自分で探すものだしね。
  39. エフネル:

    そうだな。はいはい。

  40. X-00ティアマト:

    え?エフネルさんの信念?

  41. プランクスター・マーキュリー:

    また難しい質問ですわね?

  42. エフネル:

    何でもいいよ。何か思い付いたら言ってみてよ。アタシの信念が何か分かればもっと強くなるかもしんないから。

  43. プランクスター・マーキュリー:

    どう考えても……信念を持って戦う方ではないですよね?

  44. プランクスター・マーキュリー:

    それでもあえて言うなら、お金じゃありませんか?現にエフネルさんはお金のために戦ってますし。

  45. エフネル:

    …アタシも思ったけど、それは違うなって結論になったから却下。

  46. エフネル:

    他には?

  47. X-00ティアマト:

    無意識に持ってる信念があるかもしれないと考えているのですね?

  48. エフネル:

    まぁ、だいたいそんな感じ?

  49. X-00ティアマト:

    それなら深く悩む必要はないと思いますよ。エフネルさんの性格そのものが信念じゃないですか?

  50. X-00ティアマト:

    例えば、何があっても動じない……不屈の意志とか……?

  51. X-00ティアマト:

    オルカには「不屈のマリー」と呼ばれる方がいます。決して折れないその精神から、そう呼ばれるようになったそうです。

  52. X-00ティアマト:

    ですから不屈とか…どうですか?

  53. エフネル:

    は…?何だよそれ。いや、ていうかオルカにそんな名前の奴がいるのか。

  54. X-00ティアマト:

    はい、本当に凄い方ですよ。気になるんですか?

  55. エフネル:

    ……いや、別に。……とにかく“不屈”とかじゃないから却下。

  56. ランサーミナ:

    うーん、信念ですか…?

  57. X-02ウル:

    エフネルの信念は知んねーんだ~

  58. エフネル:

    はーい、赤ちゃんはちょっと静かにしまちょうね~?はい、ママにぎゅーってされてな~?

  59. X-02ウル:

    むぐ!

  60. ランサーミナ:

    あはは、真面目に悩んでるみたいですね。参考になるか分からないですけど、一ついい方法があります。

  61. エフネル:

    お?何?

  62. ランサーミナ:

    少し嫌かもしれないですけど……自分の人生で一番怒った出来事を思い出すんです。

  63. ランサーミナ:

    怒りは原始的な本能の一つですから。

  64. エフネル:

    意外だな?アンタの口から「怒り」ってワードが出てくるなんて。

  65. ランサーミナ:

    私だって怒ることはありますよ?ティアマトにも怒ったことありますし。

  66. エフネル:

    へぇ~?よく分かんないけどアンタが怒ったら怖そうなのは分かった。

  67. エフネル:

    ふむ…アタシが一番怒ったことねぇ……

  68. エフネル:

    最近だと…あのお財布くんがすぐに金を払わなかったことかな……あれはかなりキレた……

  69. ランサーミナ:

    じゃあつまり、エルネルさんの信念は愛ですね!

  70. エフネル:

    どこをどう捉えたらそうなるんだよ。

  71. ランサーミナ:

    あはは、愛憎って言葉もあるじゃないですか。司令官に怒ったってことはそうかな~?と……

  72. エフネル:

    これはただの不払い問題だろうが。

  73. ランサーミナ:

    ふふ!冗談ですよ。真剣にもう一度考えてみてください。

  74. エフネル:

    アタシは冗談じゃなかったんだけどな……

  75. エフネル:

    ふぅ……一番怒ったこと……ねぇ……

  76. エフネル:

    親に捨てられた時か?……いや、あの時はガキ過ぎて何もわかんなかったし……

  77. エフネル:

    実験されて強制的に“ニアソウルワーカー”になった時?……いや、あの頃はもう人間に期待なんてしてなかった。

  78. ランサーミナ:

    なんだか今不穏な事を聞いたような……

  79. エフネル:

    うん。振り返ってみると…マジで死んでるのと変わらない人生だったな……アタシって死体なんじゃね?

  80. ランサーミナ:

    はははっ!こんないきいきした死体初めて見ました。

  81. ランサーミナ:

    エフネルさんは優しい死体ですよ。

  82. エフネル:

    …おい、それは慰めてるのか?意外と口が悪いんだな。ま、どっちにしろありがとう。参考になった。

  83. ランサーミナ:

    役に立ったならよかったです。

  84. エフネル:

    ……

  85. エフネル:

    …優しい…ね……

  86. ランサーミナ:

    それより…エフネルさん……

  87. エフネル:

    ん?なんだ?

  88. ランサーミナ:

    そろそろ放してあげた方が……

  89. ……

  90. エフネル:

    うわぁっ!?ウル!しっかりしろ!ウルー!!

  91. 主人公:

    - しばらくして、エフネルが戻ってきた。

    1. どう?何か答えは見つかった?
  92. エフネル:

    完璧な答え…ってワケじゃないけど……なんとなく見つかりそうかな。

    1. それで最後の話し相手に俺が選ばれたってこと?嬉しいなぁ~!
  93. エフネル:

    オエッ……黙れ。

  94. エフネル:

    勘違いすんな。ちょっと聞きたいことがあっただけ。

  95. エフネル:

    近くをうろついてる鉄虫とかいない?

    1. うーん、ちょうどいるね。
  96. エフネル:

    ナイス!そいつはアタシが倒してくる。特別にタダでやってやるから、喜べよ。

    1. ちょっと待って。一人じゃ危ないからストライカーズと一緒に―
  97. エフネル:

    アタシが一人で全部倒せばいいだけだろ。これはアタシの個人的な問題だから、手出しムヨーで

    1. 分かった。君がそう言うなら仕方ないな。
  98. エフネル:

    理解が早くてよろしい。んじゃ行ってくる。

  99. エフネル:

    それで?

  100. エフネル:

    どうしてアンタがついて来るんだよ。

    1. ストライカーズがダメなら俺をご指名かなって。
  101. エフネル:

    アンタなぁ……。はぁ、もういいや……余計なことを考えてたら、頭がおかしくなる……

  102. エフネル:

    一応言っとくけど、危なくなっても助けないぞ。自分の身は自分で守れ。