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ワーグ
主様!周囲の鉄虫はすべて片付けました。

Transcription

  1. ワーグ:

    主様!周囲の鉄虫はすべて片付けました。

  2. ワーグ:

    ところで何故鉄虫が…?ここはゲームの中ですよね……

    1. それは俺もよく分からない。とりあえずお疲れ様、ワーグ。
  3. 主人公:

    - ひょっとして俺たちの精神がこの世界に影響を与えているのか…?

    1. 今回はお前が一緒にいてくれてよかった。
    1. 最初は一人で大変だったんだ。
  4. ワーグ:

    つまり、主様は一度プレイされたということですか?

    1. うん。クリアはできなかったけど。
  5. ワーグ:

    あの少女はバイオロイドですか?体は小柄ですが、あの大剣の威力は中々なものです。

    1. 人間だと思う。この仮想現実ではバイオロイドはいないみたいだ。
    1. その代わり「異能力者」っていう特別な力を使う人間がいる。
  6. ワーグ:

    異能力者…声をかけてみましょうか?

  7. 主人公:

    - さて、どうするか……?

  8. 主人公:

    - 最初は俺一人でプレイしていたので、俺が声をかけたが、今はワーグと一緒にいる。

  9. 主人公:

    - ワーグの介入でストーリーが以前と変わることもあり得る。

  10. 主人公:

    - 話が変わることに期待して……

    1. よし、ワーグ。声をかけてみてくれる?
  11. ワーグ:

    分かりました。

  12. 大丈夫か?

  13. …大丈夫です。助けなんて必要ありませんでしたから。

  14. 全部私一人で殺せました。

  15. そうだな、お前ほどの実力なら私たちの助けがなくても片付けられただろう。

  16. しかし、お前が望まなかったとしても、助けられたのは事実だ。まずは言うべきことがあるのではないか?

  17. …そもそも、あなたたちは誰ですか?

  18. 私の名前はワーグ。この方は主様…司令官様だ。お前は?

  19. ハル・エスティアです…

  20. しかし、ずいぶんとやつれて調子が悪そうだな?

  21. まさかその状態でずっと戦闘を続けていたのか?

  22. 近寄らないでもらえますか……?むやみに近寄られたら間違って殺してしまいそうで……

  23. …そうか。だが、体は大丈夫なのか?

  24. そちらが気にする必要はありません。私はただここに存在する“すべて”が気持ち悪いだけですから……

  25. 「空白」に存在する全てのものが…「空白」を成す全てのものが……私が踏んでるこの地面さえ……"すべて"が気持ち悪い……

  26. ……

  27. だから、私のことは放っておいてください……

  28. 主人公:

    - その瞬間、ワーグは素早くハルに近付いて両頬を思いっきりつねった。

  29. うううううう……!?

  30. 何するんですか!?間違って殺してしまうかもしれないって言ったじゃないですか!!

  31. いや、少しイラっとした……

  32. それはこっちのセリフです!私に手を触れないでください!

  33. あなた本当に何なんですか!?今日初めて会ったのに近づいてきて、こんなことして!

  34. ふむ、考えてみると……こうやって誰かの頬を思い切りつまんだのは初めてだ。

  35. 何故こうしたのか…私もよく分からない。……何故だ?

  36. それを私に聞くんですか!?あなたが怪しい人だってことはもう十分に分かりました。もう近寄らないでください。

  37. 近寄ったら本当に殺すのか?

  38. 私は人間は殺しません。本当は殺してしまいたいですけどね。

  39. 主人公:

    - ハルはそのまま背を向け、ワーグから去ろうとした。

  40. 待て。

  41. …何ですか?

  42. まだ言うべきことが残っている。

  43. ……

  44. 手伝ってくれて……ありがとうございます。

  45. 主人公:

    - そして、ハルは結局行ってしまった……今回も彼女を引き留めることに失敗したようだ……

  46. 主様、申し訳ございません……上手くいきませんでした。

    1. いや、あれで良かったよ。
    1. 今のやりとりでも俺がプレイした時と内容が違う。
  47. 主人公:

    - 立ち去られるという結果は同じかもしれないが、ワーグに声をかけさせて正解だったと思う。

  48. 主人公:

    - 俺がプレイした時は、無言で立ち去られてしまったから。

    1. ワーグはハルをどう思う?
  49. ……彼女からは何故か危なっかしいという感じがします。

  50. 何よりあの目つき……まるで昔の私を見ているようです。

  51. 女帝を生き返らせるためだけに生きていたあの頃の私の目に……

  52. 主様、ご相談があるのですが……

    1. 大丈夫だよ。俺もそのつもりだったから。
  53. 主人公:

    - そもそも俺はあの子のためにここに来た。

  54. 主人公:

    - あの笑顔をあの時とは違う光景の中で見るために。

  55. それでは急ぎましょう…!

  56. 主人公:

    - 俺とワーグはハルが去った方角に向かって歩き始めた。