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Transcription
- クノイチ・シデン:
- 脱出はなんとか成功し、儂らは北海道のDドームへたどり着いた。
- クノイチ・シデン:
- 大勢の犠牲を出して。
- クノイチ・シデン:
- 生き残った者は人間もバイオロイドも東京にいた時の二割にも満たなかった。
- クノイチ・シデン:
- じゃが……北海道はやはり東京よりも鉄虫が少なく、
儂らはDドームに来てやっと落ち着くことができた。 - クノイチ・シデン:
- そうして鉄虫を狩り、生存者や主人を失くしたバイオロイドを
受け入れながら、ささやかな抵抗活動を続け……2年ほどの時が過ぎた。 - クノイチ・レイ
56号:
ふぅ……相変わらず、鉄虫がよくやってくるね。
- クノイチ・レイ
56号:
まだ対処できる数だからいいけど……
- クノイチ・ハガネ
121号:
どこかの工場を使って数を増やしてるんだろうね……
- クノイチ・ハガネ
121号:
いつか戦力が整ったら、そこを潰しに行かなきゃ。
- クノイチ・レイ
56号:
戦力が整ったら……ね……
- クノイチ・レイ
56号:
戦力なんて整うのかしら……
- クノイチ・ハガネ
121号:
整うでしょ。毎日のように持ち主が死んだバイオロイドが集まって来てるんだし。
- クノイチ・レイ
56号:
バイオロイドって言っても、ほとんどが民間用でしょ?
戦力としてはあまり期待できないわ。 - クノイチ・ハガネ
121号:
そこはほら……訓練したりとか……
- クノイチ・レイ
56号:
楽観的ね。
- クノイチ・レイ
56号:
そもそもバイオロイドが集まって来てるのも、持ち主が眠ったまま
起きなくなって死ぬ奇病のせいでしょ? - クノイチ・レイ
56号:
ドームの人間様たちにも起きられない人がチラホラ出てきてる。
- クノイチ・レイ
56号:
治療法もわからないみたいだし……どうなるか分からないわよ。
- クノイチ・ハガネ
121号:
うぅ……そ、そうだけどさ……
- クノイチ・レイ
56号:
それに、リーダーも最近様子がおかしいし……
- クノイチ・ハガネ
121号:
なんだかこう……荒っぽくなったよね。
- クノイチ・レイ
56号:
うん……
- デンセツ社員:
シデン!シデンはどこだ!
- クノイチ・レイ
62号:
リーダー、シデン様は今札幌のレジスタンスの救援に行っています。
- デンセツ社員:
は?札幌?
- クノイチ・レイ
62号:
はい…その…鉄虫が大量に集まってきているらしくて、
脱出する突破口を開いてほしいということで…… - クノイチ・レイ
62号:
くノ一を何人か連れて、先ほど向かいました。
- デンセツ社員:
はぁ?あいつが離れたら誰がここを守るんだよ!
だいたい札幌のレジスタンスなんて100人もいない弱小だろ! - デンセツ社員:
そんなのを助けてうちが壊滅したらどうするんだ!
こっちは人間を何百人も背負ってるんだ! - クノイチ・レイ
62号:
こっちの防備は万全です。くノ一もたくさんいますし、
この前合流した軍事用バイオロイドも…… - デンセツ社員:
黙れ。
- クノイチ・レイ
62号:
……はい……
- デンセツ社員:
何だよ……
- クノイチ・レイ
62号:
え……?
- デンセツ社員:
その目は何だって言ってるんだ!
- クノイチ・レイ
62号:
私、何も……
- デンセツ社員:
この!
- クノイチ・レイ
62号:
キャッ!!?
- デンセツ社員:
お前!バカにしてるんだろ!あの時、作戦を強行して大勢を無駄死にさせた僕を!
- クノイチ・レイ
62号:
や、やめてください!そんなこと…思ってません!
- デンセツ社員:
くそ!!!!
- デンセツ社員:
くそ!くそ!くそ!!!!
- クノイチ・レイ
62号:
や、やめてください……!あっ……
- クノイチ・レイ
62号:
うっ……やめて……
- クノイチ・レイ
62号:
うぅ……助けて……
- クノイチ・シデン:
はぁ…やっと帰れたか……
- クノイチ・シデン:
(結局…札幌のレジスタンスたちは到着した頃には全滅していた……)
- クノイチ・シデン:
(同行させたくノ一たちを死なせずに済んだだけでも
よかったと思うべきか……) - クノイチ・コノハ
51号:
シデン様、私たちは怪我の治療と装備の整備をしてまいります。
- クノイチ・シデン:
うむ……それが終わったら…休め。儂はあやつに…報告する。
- クノイチ・コノハ
51号:
はっ!
- クノイチ・シデン:
(これは……部屋が荒らされておる?)
- クノイチ・シデン:
(やつめ…また癇癪を起して……)
- クノイチ・シデン:
(……ん?誰かが泣いておる……?)
- クノイチ・レイ
62号:
うぅぅ……うぅぅぅ……
- クノイチ・シデン:
…レイ!!!
- クノイチ・レイ
62号:
シデンさま……
- クノイチ・シデン:
(このあざ……服が破かれて……)
- デンセツ社員:
…シデンか。
- クノイチ・シデン:
……おぬし……これはどういうことじゃ。
- デンセツ社員:
は?
- デンセツ社員:
どういうって…そういうことだよ。
- デンセツ社員:
バイオロイドの有効活用。
- クノイチ・シデン:
くっ……
- クノイチ・シデン:
……おぬしは……まだ未熟なところがあっても……
この子たちを……大切に思っておると信じていた…… - デンセツ社員:
大切に?
- デンセツ社員:
ああ、大切に思ってるさ。お前たちがいないと僕は生きていけない。
- デンセツ社員:
僕はお前らに守られないと生きていけないんだから。
- クノイチ・シデン:
それが……わかっておるなら……
- デンセツ社員:
何でお前が怒ってるんだよ。怒ってるのは僕だぞ……
- デンセツ社員:
ここの守りを手薄にして、勝手に札幌なんかに行きやがって!
- デンセツ社員:
その間に僕が死んだらどうするんだ!僕は!ここの最後の希望なんだぞ!!
- クノイチ・シデン:
……おぬし……!
- デンセツ社員:
口答えするな!!
- デンセツ社員:
黙れ!!!
- クノイチ・シデン:
……!
- デンセツ社員:
いいか……これはお前への罰だ……
- デンセツ社員:
お前がまた僕を一ミリでも危険な状況にしたら、
こいつ……いや、お前の大事なくノ一たちを一人ずつ…… - クノイチ・シデン:
……………………!
- クノイチ・シデン:
(殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!!!!)
- クノイチ・シデン:
- 儂は時間が引き伸ばされた世界の中で切に願った……
- クノイチ・シデン:
- しかし、それは叶うことはなかった……
- クノイチ・シデン:
- 儂はバイオロイドじゃから……
- クノイチ・シデン:
- それから…儂らの状況は少しずつ歪に崩れていった。
- クノイチ・シデン:
- 時が経つにつれ……世界の状況もみるみる悪化していき、
ヒュプノス病もまん延…… - クノイチ・シデン:
- 儂らの中にはうっすらと“絶望”という空気が流れておった。
- クノイチ・シデン:
- そして、その空気に当てられて……やつは……
- クノイチ・シデン:
- 人間の悪性を発露していった……
- クノイチ・シデン:
おぬし……
- クノイチ・シデン:
なぜ……コノハに手を出した。
- デンセツ社員:
…はぁ……
- デンセツ社員:
別にいいだろ。殺したわけでもないんだし……
- クノイチ・シデン:
……そういうことでは……ないだろう……!
- デンセツ社員:
うるさいな……全員に手を出してるわけじゃないだろ。
- クノイチ・シデン:
あの子たちも苦しいなか……必死に戦っている……
- クノイチ・シデン:
彼女たちを傷付けるな…
- デンセツ社員:
チッ……
- デンセツ社員:
……じゃあ飼い主が死んだバイオロイドに手を出せばいいのか?
- デンセツ社員:
まぁ、そっちの方が喜ぶか。
- デンセツ社員:
……ははは!
- クノイチ・シデン:
……おぬし……
- デンセツ社員:
おぬしって呼ぶな。リーダーって呼べ。
- クノイチ・シデン:
……
- クノイチ・シデン:
- そして……しばらく経つと……
- クノイチ・シデン:
- やつもヒュプノス病を発症した。
- デンセツ社員:
くそ……
- デンセツ社員:
最近悪夢ばかり見る……
- デンセツ社員:
何なんだこの病気は……
- デンセツ社員:
バイオロイドは何ともないし、人だけがどんどん減っていって……
- デンセツ社員:
僕も死ぬのか……?
- デンセツ社員:
…………
- デンセツ社員:
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……!
- デンセツ社員:
ううう……!
- デンセツ社員:
誰か!誰かいないのか!聞こえるなら誰か来い!
- クノイチ・レイ
62号:
……
- クノイチ・レイ
62号:
はい…私が……
- デンセツ社員:
ははは……いるじゃん……
- デンセツ社員:
シデン。
- クノイチ・シデン:
…なんじゃ……
- デンセツ社員:
こいつを処分しとけ。
- クノイチ・シデン:
…レイ…!?
- デンセツ社員:
壊れた。
- クノイチ・シデン:
き……!貴様……!貴様!!!!!貴様ぁぁぁ!!!!!
- デンセツ社員:
黙れ!お前を壊してもいいんだぞ!!
- デンセツ社員:
今まで死にたくないから手を出さなかったが!どうせ僕は死ぬ!!
- デンセツ社員:
もうどうでもいい!!!
- デンセツ社員:
どうせ、世界は終わるんだ……ロックハーバーももう限界みたいだからな!
- デンセツ社員:
僕は別に最後の希望でも何でもなかったみたいだ……
- デンセツ社員:
うっ……
- デンセツ社員:
また眠気が……
- クノイチ・シデン:
- その後もヤツは何人ものバイオロイドを弄んでは壊した。
自分の恐怖と眠気を誤魔化すために…… - クノイチ・シデン:
- 儂はそれを見て見ぬ…いや、見ぬフリなどせん……
見てなお……何も出来ずに耐えるしかなかった…… - クノイチ・シデン:
- そして、数日が過ぎ……
- クノイチ・シデン:
- ヤツは目を覚まさなくなり、死んだ。
- クノイチ・コノハ
51号:
……ははは……
- クノイチ・コノハ
51号:
死んでます……
- クノイチ・コノハ
51号:
死んでます!
- クノイチ・レイ
56号:
よかった……これでもう仲間が殺されずに済む……
- クノイチ・レイ
56号:
喜んじゃいけないのに……
- クノイチ・レイ
56号:
よかった……
- クノイチ・シデン:
…いや……いいんじゃ。
- クノイチ・シデン:
……喜べ……
- クノイチ・レイ
56号:
はい……
- クノイチ・コノハ
51号:
シデン様、リーダーの死体はどうしましょうか?
- クノイチ・コノハ
51号:
どこか近くにお墓でも作りますか……?
- クノイチ・シデン:
……いや……
- クノイチ・シデン:
……外に捨て置け。
- クノイチ・シデン:
おぬしたちが……気持ちを向ける価値などない……
- クノイチ・シデン:
死んで当然じゃ……
- クノイチ・シデン:
人間は滅ぶべくして滅ぶ……これは罰じゃ……
- クノイチ・エンライ:
……
- クノイチ・ゼロ:
……
- クノイチ・カエン:
……
- 主人公:
- シデンから語られた過去を聞いて俺たちは黙ることしか出来なかった。
- 主人公:
- そして、リミッターを外された時間認識の拡張……
- 主人公:
- つまり…これが解除されていないと言うことは……
- 主人公:
- 彼女の中では……一体どれだけの年月が過ぎているんだ……?
- 主人公:
- いや、そもそも時間認識が拡張されるだなんてどういう感覚なのか分からない。
きっと、俺の想像を越えた苦痛を感じているはずだ…… - クノイチ・シデン:
オウカ、儂は…あえて人間がいるこの場で言おう。
- クノイチ・シデン:
そのオルカの司令官……おぬしの殿は確かに素晴らしい人間かもしれん……
- クノイチ・シデン:
じゃが……それはその人間のただの一面に過ぎん。
- クノイチ・シデン:
いつか必ず……必ず……その悪性を発露する時が来る……
- クノイチ・シデン:
人間の本質は“魔”じゃ。
- クノイチ・シデン:
儂は……再び会えたおぬしたちを失いたくない……
- クノイチ・シデン:
じゃからオウカ、スミレ、ハツナ……オルカを捨て…儂のもとへ来い。
<大戦乱~無限になく紫の雷~> 第2部に続く。