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Transcription
- クノイチ・シデン:
- そうやって伝説社は……伝説製バイオロイドたちを集めて
“本物の英雄譚”の撮影を開始した。 - クノイチ・シデン:
- じゃが……
- クノイチ・シデン:
- 儂らはすぐに劣勢に立たされた。
- クノイチ・シデン:
- 原因は色々とあるのじゃが……一番の原因はAGSじゃ。
- クノイチ・シデン:
- 日本は他の国に比べて…様々な分野に好意的にAGSを導入しておったからな……
- クノイチ・シデン:
- 自ずと鉄虫の数も…膨大な数となってしまった……
- クノイチ・シデン:
- さらに……最悪なことに当時は連合戦争での勝利によって……
政府より伝説の方が立場が上じゃった…… - クノイチ・シデン:
- じゃのに……当の伝説は戦いを撮影することしか考えておらんかった。
- AD:
渋谷の鉄虫の群れ!魔法少女たちが壊滅させました!撮影もできてます!
- PD:
よし…負傷者を早急に運搬して、バイオロイドは修復、
次の群れにはシャーロットを向かわせろ。 - PD:
無双シーンを撮るぞ。
- クノイチ・シデン:
……
- クノイチ・ゼロ:
師匠?どうされました?
- クノイチ・シデン:
この戦……全く勝機が見えない。
- クノイチ・ゼロ:
順調に勝てているのにでござるか?
- クノイチ・シデン:
部分的にはな。
- クノイチ・シデン:
東京には首都防衛用バイオロイドに加えて、一騎当千の力を持つ儂ら伝説社の
バイオロイドがおるからそう見えているだけじゃ。 - クノイチ・シデン:
決して勝っているわけではない。
- クノイチ・シデン:
戦とは物資、兵の質がものを言うのは当たり前じゃが……
- クノイチ・シデン:
儂らには足りんものがある……
- クノイチ・ゼロ:
足りないもの……
- クノイチ・ゼロ:
やはり兵の数でござるか?
- クノイチ・シデン:
そうじゃな、バイオロイドを無制限に生産しておるそうじゃが……
敵の数が多すぎる。 - クノイチ・シデン:
そして何より……儂らに一番足らんもの……いや無いものは……
- クノイチ・シデン:
将じゃ。
- クノイチ・ゼロ:
将……ですが、会長やPDが……
- クノイチ・シデン:
あれは将ではない。
- クノイチ・シデン:
あやつらはただ撮影するために指揮をしているだけ……ただの監督じゃ。
- クノイチ・シデン:
もちろん自衛隊の方には将はおろうが……
- クノイチ・シデン:
連合戦争での勝利の結果、政府よりも上になってしまった伝説が
自衛隊の言うことを聞くわけがない。 - クノイチ・シデン:
つまりじゃ、兵と将が足らん儂らはいつか負ける。これは断言する。
- クノイチ・シデン:
ヨシミツは“英雄による大逆転劇”を撮りたいのじゃろうが……
実際の戦は個の存在で状況がひっくり返るほど甘くはない。 - クノイチ・シデン:
そんなことを起こせる者がおったならそれこそ神、英雄と
のちに呼ばれるじゃろうて。 - クノイチ・シデン:
きっと連合戦争で勝利したが故の慢心じゃろう……
- クノイチ・ゼロ:
では……拙者たちもいずれは……
- クノイチ・シデン:
…………
- クノイチ・ゼロ:
…………
- クノイチ・シデン:
じゃが、心配するな。
- クノイチ・シデン:
この戦に負けようとも……スミレ、ハツナ、オウカは儂が死なせはせん。
- デンセツ社員:
おい、シデン。
- クノイチ・シデン:
何じゃ?泣き虫。
- デンセツ社員:
うっ……いつまで言ってんだよ!
- クノイチ・シデン:
ふふふっ、冗談じゃ。どうした?
- デンセツ社員:
PDが呼んでる。整備室に来いってさ。
- クノイチ・シデン:
わかった。
- クノイチ・シデン:
ではな、スミレ。
- クノイチ・ゼロ:
はい、師匠。いってらっしゃい。
- PD:
来たか。シデン。
- クノイチ・シデン:
どうした?整備室におぬしがおるのも珍しいな?
- PD:
ん?そうか?確かに最近は戦闘指揮ばかりでモニタールームに籠りがちだからな。
- クノイチ・シデン:
……
- PD:
まぁそんなことはどうでもいいんだ。
- PD:
最近、作戦続きで刻駆けの術を解除してないだろ?気分はどうだ?
- クノイチ・シデン:
最悪じゃ…
- クノイチ・シデン:
走っても走っても目的の場所にたどり着けぬような夢の中におるような気分じゃ。
- PD:
そうか。
- PD:
まぁそのおかげでお前は死にもせず、今も活躍できているんだ。
- クノイチ・シデン:
……
- PD:
知らないだろうが、お前は鉄虫の撃破数トップなんだ。胸を張れ。
- クノイチ・シデン:
おうおう、胸はもう張っておる。
- PD:
ははは。
- クノイチ・シデン:
それで、刻駆けの術がどうしたのじゃ?そろそろ解除してくれるのか?
- PD:
いや、お前には勝利のためにもう少し頑張ってもらいたい。
- クノイチ・シデン:
なんじゃ…ではなぜ呼び出した。
- PD:
術のリミッターを外そうと思ってな。
- クノイチ・シデン:
リミッター?
- PD:
お前の刻駆けの術…時間認識の拡張だが……実は制限をかけてたんだ。
- PD:
今お前が言ったように、1.3倍でも副作用があるからな。
- PD:
だが、1.3倍でもその強さだ。さらに上を試したくはないか?
- クノイチ・シデン:
は……?儂はさっき最悪じゃと言うたよな?
- PD:
まぁ、聞け。お前も分かってると思うが、今の戦況はよろしくない。
理由は分かってる。 - PD:
バイオロイドの数だ……だが、この兵力差はもう結局どうにもならない。
東京にいたAGSがそもそも多すぎたからな。 - PD:
だから、勝利のために必要な物を俺なりに考えてみたんだ。
- PD:
そして解かったんだ。俺たちに足りないものを埋める方法……
- PD:
数がどうにもならないなら質を上げればいい。
- PD:
これからバイオロイドたちの質を高めていく。お前がその最初の一人だ。
- クノイチ・シデン:
……
- クノイチ・シデン:
無駄だと思うが、一応言うぞ。
- クノイチ・シデン:
断る。
- PD:
命令だ。今から処置を受けろ。
- クノイチ・シデン:
……
- クノイチ・シデン:
わかった。
- クノイチ・シデン:
- 儂は命令を受け、ベッドに横たわった。
横たわるまでの気分は最悪、絶望という言葉では済まないほどの苦しみじゃった。 - クノイチ・シデン:
- 無実の罪で絞首台に上るような…そんな気分じゃった。
- PD:
そういえば、リミッターを外せば時間認識はどのくらいまで拡張されるんだ?
- PD:
2倍?
- クノイチ・シデン:
……
- デンセツ技術者:
えーっと3倍ですね。
- PD:
うぉ…!凄いな。もしかしてこの戦争勝てるんじゃないか?
- デンセツ技術者:
ははは!かもしれませんね。
- クノイチ・シデン:
- その会話を聞いた瞬間、儂は切に願った。
- クノイチ・シデン:
- 死にたいと。