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主人公
- 俺は夕食を終えた後、スターリングに呼び出されて格納庫へ来ていた。

Transcription

  1. 主人公:

    - 俺は夕食を終えた後、スターリングに呼び出されて格納庫へ来ていた。

  2. スターリング:

    ……ということです……

    1. ……
  3. 解体者アザズ:

    はい。

  4. 主人公:

    - 申し訳なさそうな顔で話すスターリングと対照的に笑顔のアザズ。

  5. 主人公:

    - 話を要約すると……

    1. ロクのカスタムパーツ、作っちゃったかぁ……
  6. 主人公:

    - なんだかこうなりそうな気がしてたから、正直なところあまり驚いてはいない…

  7. 解体者アザズ:

    スターリングさんの設計図があまりにも良かったので、つい……

  8. スターリング:

    ……ほ、褒めてもらうのは嬉しいですが……これはダメですよね……?

    1. まぁ……
  9. C-33アンドバリ:

    はい、ダメです。

  10. C-33アンドバリ:

    アザズさんには物資と新素材の特別使用枠を設けていますが、今回はそれを完全にオーバーしています。

  11. 解体者アザズ:

    あら、そうだったんですか?

  12. C-33アンドバリ:

    そうですよ!前に言ったじゃないですか!使用枠はオーバーしないでくださいって!

  13. 解体者アザズ:

    今度から気を付けます。

  14. 主人公:

    - 絶対に気を付けないな……

  15. C-33アンドバリ:

    しかもこの使用量……おかしくないですか?高級AGSを一機作れるくらい使ってますよね?

  16. スターリング:

    え?……私、外装パーツしか設計してないので、いくらなんでもそこまでの量は使わないはずです……

  17. 解体者アザズ:

    そうですね。ちょっと良いアイデアが浮かんだので、私が新武装を追加しました。

  18. 解体者アザズ:

    それに合わせてフレームなども作ったので……多分、オーバーしたとしたらそっちが原因かと。

    1. ……ほあ……
  19. C-33アンドバリ:

    ……ほあ……

  20. 主人公:

    - それは使用量オーバーするよ……

  21. C-33アンドバリ:

    ……

  22. 主人公:

    - アンドバリが真一文字に口を閉じてアザズを見つめ…いや、目をガン開きにして睨んでいる。

    1. アンドバリ…アザズには俺からもしっかり言っておくから…
  23. C-33アンドバリ:

    はい。お願いします。

  24. C-33アンドバリ:

    ですが、アザズさんの発明はめぐりめぐってオルカのためになりますので、私が調整しておきます。

  25. 主人公:

    - アンドバリは声を少し震わせながら言った。

  26. C-33アンドバリ:

    フー…………

  27. 主人公:

    - アンドバリ、強くなったな。

  28. 主人公:

    - とりあえずアンドバリを安心させるためにも、この場で一言アザズに言っておこう……

    1. アザズ一応…―
  29. 主人公:

    - すると、俺のパネルが鳴った。これは緊急時用の通知音だ。

  30. エイダーType-G:

    司令官。

    1. どうした。
  31. エイダーType-G:

    RF87 ロクからの定期連絡がありませんでした。

  32. エイダーType-G:

    RF87 ロクからの定期連絡がなく、信号もロスト。

  33. エイダーType-G:

    その後 衛星を使ってノボリベツのセントオルカの格納庫周辺を撮影したところ、戦闘の痕跡を発見。

  34. エイダーType-G:

    範囲を拡大して探索しましたがRF87 ロクと思われる機影はなく、北東方面に向かって戦闘の痕跡が点々と続いていることを確認しました。

  35. エイダーType-G:

    当初予定していた移動ルートとは全く違う場所であることから、鉄虫、もしくは何らかの敵性存在と遭遇し、損傷を受け、通信機能が停止している可能性が考えられます。

  36. エイダーType-G:

    あくまで希望的観測になりますが。

    1. アルマンはどう思う?
  37. アルマン枢機卿:

    報告された状況からしか予測できませんので、エイダーさんとほぼ同じことしか言えません。

  38. アルマン枢機卿:

    ですが、ロクさんが通信機能を喪失するほどの敵性存在ということは、鉄虫であれば連結体以上…最悪の場合、特異体レベルの個体だと思います。

  39. エイダーType-G:

    ですが、アルタイトが発する特有の波動は検知できていません。

    1. とりあえず、信号が途切れた原因は後回しにしよう。
  40. 無敵の龍:

    ……そうだな。

  41. 無敵の龍:

    まずは確認する。

  42. 無敵の龍:

    救助には向かうのだろう?

    1. もちろん。
  43. 無敵の龍:

    うむ。そなたはそう言うと思っていたが、一応確認した。

  44. 無敵の龍:

    小官たちはヨーロッパにいて、ロクは遥か遠くの日本にいるのだから。

  45. 無敵の龍:

    以前イギリスに行った時とは話が違って、向かうだけで時間がかかる。

  46. 無敵の龍:

    考えたくはないが、日本に着いた頃にはもう手遅れになっている可能性があり、さらには正体がわからない敵性存在と接触するかもしれないからな。

    1. ああ、でも答えは変わらないよ。
  47. 主人公:

    - 俺はロクのことを信じている。

  48. 主人公:

    - 俺の言葉を聞いた龍は優しく笑った。

  49. 無敵の龍:

    わかった。

  50. 無敵の龍:

    では、どうやって助けに向かうか考えよう。

  51. 無敵の龍:

    さっきも言った通り、多少のリスクを冒して艦船で向かうと、相当な時間がかかる。

  52. 無敵の龍:

    そして、敵との戦闘の可能性を考えると万全の準備を整える必要があるが……

  53. アルマン枢機卿:

    今どの戦闘部隊も広くなったオルカの勢力圏をカバーするために広範囲に散らばっています。

  54. アルマン枢機卿:

    鉄虫の活動も鉄の塔が崩壊したことによって以前よりは落ち着いていますが、それでも活発な状態は続いていますので……

  55. アルマン枢機卿:

    兵力を招集するにしても細かな調整を行わないといけません。

  56. アルマン枢機卿:

    どんなに急いでも出発まで一日はかかるでしょう。

  57. 主人公:

    - 今は一刻を争う。一日も待っていたら本当に手遅れになるかもしれない。

    1. となると…もう方法は一つしかないね。
  58. 無敵の龍:

    まぁ、それしかなさそうだな。

  59. アルマン枢機卿:

    そうですね。

    1. 今集められる戦力を乗せて、オルカ号で向かう。
  60. 主人公:

    - 現在連れて行けそうなメンバーが頭の中に浮かぶ……コンパニオン、ストライカーズ、エンプレシスハウンド、くノ一……

  61. 主人公:

    - そういえばナースホルンがカフェでボーっとしてるのを見たから、アーマードメイデンはすぐに招集できそうだ。

    1. 悪いけど、ヨーロッパを頼むよ。
  62. 無敵の龍:

    了解した。

    1. あと、念のために日本に向かう戦隊は編成しておいてくれ。
  63. 無敵の龍:

    わかった。それも調整しておこう。

  64. アルマン枢機卿:

    では、秘書室を通じて同行する隊員を招集いたします。

  65. エイダーType-G:

    私は引き続きホッカイドウの監視と分析、探索を行い、何か変化があればすぐに連絡いたします。

    1. よろしく。
  66. 主人公:

    - どうか、ロクが無事でありますように……

  67. RF87ロク:

    ……

  68. RF87ロク:

    特異体がここまでしつこいとは思いませんでした。

  69. RF87ロク:

    定期連絡の時刻からも大分時が過ぎた……

  70. RF87ロク:

    ……恐らく閣下も事態に気が付かれたことでしょう……

  71. RF87ロク:

    閣下の執事として、自力でこの窮地を脱したいところですが……

  72. RF87ロク:

    私の性能をもってしても、この状態では難しいですね。

  73. RF87ロク:

    ……閣下はきっと救援部隊を寄こすでしょう……

  74. RF87ロク:

    執事が主人の手を煩わせるなど……

  75. RF87ロク:

    ……………

  76. RF87ロク:

    ……ククク……

  77. RF87ロク:

    私はあの方を信じているのですね……

  78. RF87ロク:

    ええ…全くもって信じています。一抹の疑いもありません。

  79. RF87ロク:

    アンヘル公がここにいらっしゃれば、私を笑ったでしょう。

  80. RF87ロク:

    不思議なものです。センサー類には一切変化が見られないのに、私の心が今奮い立ったのを感じました。

  81. RF87ロク:

    ……ああ、希望というものはここまでのエネルギーを秘めているのですね。

  82. RF87ロク:

    ……では、生存率を上げる為にもここから移動するとしましょう。

  83. RF87ロク:

    かなり移動しましたがGPS機能も損傷していて、正確な位置が把握できませんか…

  84. RF87ロク:

    恐らくもうチトセという土地に入っているはず。

  85. ???:

    ……誰じゃ。

  86. RF87ロク:

    …!

  87. RF87ロク:

    (バイオロイド……?)

  88. ???:

    ……名乗れ。

  89. RF87ロク:

    (オルカにはいないバイオロイドですね……)

  90. RF87ロク:

    (……データ照合……一致データあり……)

  91. RF87ロク:

    (伝説社、大戦乱…シデン)

  92. クノイチ・シデン:

    名乗らぬなら…ここで壊すが?…よいのか?

  93. RF87ロク:

    (こんな場所で生き残っているのなら、それなりの組織の可能性がありますね。ここは詳細を伏せて様子を窺いましょう…)

  94. RF87ロク:

    (何より、これ以上の戦闘は避けておきたい)

  95. RF87ロク:

    失礼いたしました。私はブラックリバーの実験機ロクと申します。

  96. RF87ロク:

    先ほどまで巨大な鉄虫に追われていましたもので、警戒してしまいました。非礼をお許しください。

  97. クノイチ・シデン:

    ロク…聞いたことがない。

  98. RF87ロク:

    実験機でしたもので。

  99. クノイチ・シデン:

    実験機が…何故ここにおる。一人か?…仲間は?

  100. RF87ロク:

    実験機というのは昔の話…人間が滅亡した後、飛行船を拠点としたバイオロイドと共同生活を送っております。

  101. クノイチ・シデン:

    …ずいぶん損傷しておるようじゃが……大丈夫か?……その仲間とやらは助けに来るのか?

  102. RF87ロク:

    いえ、通信機能を損傷してしまいまして、困り果てていたところです。

  103. RF87ロク:

    チトセに巨大な空港があるはずですので、そこで通信を試してみようかと思い、ここまで移動してまいりました。

  104. クノイチ・シデン:

    ……あの空港は滅亡戦争で防衛拠点になったせいで……もう使い物にはならん……諦めろ。

  105. RF87ロク:

    そうでしたか……

  106. クノイチ・シデン:

    ……

  107. クノイチ・シデン:

    来い……儂らの拠点へ案内しよう。

  108. RF87ロク:

    おお、そんな場所があるのですね……

  109. RF87ロク:

    しかし、よろしいのですか?

  110. RF87ロク:

    私のようなよく分からないAGSを招いて……

  111. クノイチ・シデン:

    構わん……困っておるのじゃろう?

  112. クノイチ・シデン:

    困っておる者を…助けるのは当然のこと。人間と違ってな。

  113. RF87ロク:

    ……………

  114. クノイチ・シデン:

    それに、おぬしのようなAGSに…鉄虫が寄生しても困る……

  115. RF87ロク:

    ははは、確かに……

  116. RF87ロク:

    では、お言葉に甘えさせていただきます。……何とお呼びすれば?

  117. クノイチ・シデン:

    儂の名はシデンじゃ。

  118. クノイチ・シデン:

    とっくに……データを照合しておるかと思ったが?

  119. RF87ロク:

    ……

  120. RF87ロク:

    そうですね。データはありました。

  121. RF87ロク:

    ではあらためて感謝を……

  122. RF87ロク:

    シデン。

  123. クノイチ・シデン:

    拠点までは……少し距離があるが、大丈夫か?

  124. RF87ロク:

    歩行は何とか可能です。難しい場合は低空で飛ぶことにします。

  125. クノイチ・シデン:

    そうか…わかった。

  126. クノイチ・シデン:

    まぁ途中で鉄虫がおるじゃろうが…心配するな。

  127. クノイチ・シデン:

    儂がすべて斬り捨てる。