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Transcription
- 主人公:
- レモネードデルタとの戦争、カラカスでの事件を経て、
オルカに合流するバイオロイドの数は爆発的に増えた。 - 主人公:
- そして今、その合流してきたバイオロイドの情報に目を通しているのだが、
すでにもう半日が経過していた。 すごく大変だ……えへへ。 - レモネードアルファ:
はぁ……そろそろ休憩してください……朝からずっと仕事されてますよね?
- 主人公:
- 実は先日、休憩せずに仕事をしていたら睡魔に襲われて
机にうつ伏せになって眠ってしまい、それをアルファに見られてしまった。 - レモネードアルファ:
あの時は旦那様に何かあったのかと本当に心配したんですよ?
- ごめん。休み休み仕事します。
- レモネードアルファ:
フェンリルさんが「服を着る」と言う方がまだ信じられますね……
- 主人公:
- どれだけ信じられないの?
- レモネードアルファ:
はぁ……それで旦那様、合流したバイオロイドについて
一つご報告があります。 - 主人公:
- そう言うアルファの表情は何やら深刻そうだったので、
俺は姿勢を正した。 - レモネードアルファ:
そちらの報告書には記載していないバイオロイドが一人います。
- どうして記載してないの?
- レモネードアルファ:
疑わしいと判断したからです。
そのバイオロイドは北米から来たと言っています。 - つまりオメガのスパイかもってこと?
- レモネードアルファ:
その通りです。
- でも、うちには北米出身の隊員がいたよね?
- レモネードアルファ:
そのモデルは少々危険度が違いまして……
現在、尋問室に監禁しています。 - 主人公:
- 「監禁」というワードに少し引っかかっていると、
アルファは自分が持っていたパネルの画面を俺に見せた。 - レモネードアルファ:
そのモデルは通常の検索では見つからず、PECSの過去の機密文書を探して
やっと特定することができました。 メルト…パブリックサーバントです。 - え?アルファも知らなかったってこと?
- レモネードアルファ:
書類上は開発段階で廃棄されているモデルでしたので。
- 廃棄?どういうこと?
- レモネードアルファ:
不眠治療の為に開発されていたのですが、悪用される懸念から
開発計画が中断されたんです。 - レモネードアルファ:
ですが、現に存在し……さらに認識番号もないところから推測するに、
PECS上層部が極秘裏に生産したんでしょう。 - それで、その悪用って具体的には?
- レモネードアルファ:
メルトは神経を刺激する声帯と催眠をかける目を持っています。
- レモネードアルファ:
これによって人間を催眠状態にするどころか、
声を使って脳に損傷を与えることができます。 - レモネードアルファ:
政府要人や邪魔者を洗脳、または暗殺するために極秘裏に量産したんでしょう。
おそらくPECS上層部というのは会長たちでしょうね…… - 主人公:
- アルファが何故監禁という手段をとったのか理解できた。
- 主人公:
- 確かにそういう能力を持っているバイオロイドなら、
人間である俺にとってはかなり危険だ。 - 主人公:
- でも、オルカは過去の行いや作られた目的を理由にして
合流を拒否したことはない。 - 主人公:
- 万が一、そのメルトがオメガのスパイだとしても、
オルカに取り込むことができれば北米の情報を 手に入れることができるかもしれない。 - レモネードアルファ:
状況的に問答無用で追放するべきですが……
一応、旦那様に報告するのが筋だと思い、お伝えしました。 - レモネードアルファ:
どうされますか?旦那様。
- とりあえず尋問室に行ってみよう。
- レモネードアルファ:
直接会うつもりなんですか?
- 問答無用で追放はしたくない。
- オメガのスパイだって確証もないでしょ?
- レモネードアルファ:
そうですね……
ですが、疑いが晴れない限り気を許すべきではないかと。 - うん。俺が責任をもって判断するよ。
- レモネードアルファ:
……はぁ……わかりました。それでは一緒に尋問室に行きましょう。
- 主人公:
- 俺はアルファと一緒に尋問室へ向かった。
- 主人公:
- 尋問室に到着すると、メルトは薄暗い照明の下で椅子に縛られていた。
- 主人公:
- 目隠しと手錠までされて……
- 主人公:
- そして、中の様子を監視するためのマジックミラーの前には
シラユリが立っていた。 - シラユリ:
今のところ何も話しません。司令官。
- レモネードアルファ:
洗脳や暗殺に使用されていたモデルですし、簡単に口は割らないでしょう。
- 主人公:
- 作られた目的が目的なだけに警戒する必要があるのはわかるが、
少々メルトが気の毒に思えた。 - レモネードアルファ:
旦那様、それではマイクのミュートを解除します。
- 分かった。
- メルト、はじめまして。俺はオルカの司令官だ。
- メルト:
…………
- 主人公:
- メルトは音が聞こえる方を向いているが、返事はしなかった。
- あのマスクのせいで喋れないんじゃない?
- レモネードアルファ:
いえ、マスクを調べてみたところ、喋ることは可能なようです。
- 命令権は?
- レモネードアルファ:
メルトは一応量産モデルなので人間の命令を迂回する機能はありません。
- シラユリ:
命令してしまうのが早いかと。
- 主人公:
- 最終的に必要ならそうするが、今の状況で命令権の行使は避けたい。
- エンジェルを呼んでくれる?
- シラユリ:
わざわざ感情を読ませるんですか?
- あそこまで喋らない理由が気になる。
- レモネードアルファ:
それは…やはり何かやましいことがあるからでは?
- だとしてもあそこまで黙る?あれだと逆に怪しく見える。
- シラユリ:
つまり、何か別の理由で黙っているということですか?
- うん。だからまずはどんな感情なのか知りたい。
- レモネードアルファ:
分かりました。
- 主人公:
- それから程なくして、エンジェルが尋問室にやってきた。
- 主人公:
- そして、事情を説明するとすぐにエンジェルはミラー越しにメルトを見つめ、
感情を読み始めた。 - エンジェル:
…
- メルト:
……
- 主人公:
- 二人の沈黙の時間が続いたと思うと、
エンジェルは急に顔を赤くして、荒く呼吸をしはじめた。 - エンジェル!?
- シラユリ:
やはり危険です。司令官、あとは私に任せてください!
- エンジェル:
……はぁ、はぁ……違います……
けど…… - うん?
- シラユリ:
……?
- エンジェル:
……
- エンジェル:
…はぁ、はぁ……う、うぅ……
- エンジェル:
すみません……これ以上は耐えられないかもしれません……
あの方…あの状況に興奮してます……アッ……はう…… - ……他に感情はない?
- エンジェル:
う、うぅ……ふぅ……ふぅ……他の感情……は……
- 主人公:
- エンジェルは紅潮した顔でもう一度メルトを見つめた。
- メルト:
……
- エンジェル:
……
- エンジェル:
ふぅ…救援者様に対する悪意は感じ取れません。
- エンジェル:
すごく委縮していて…罪悪感を感じます。
そして、すごく沈んでいらっしゃいます。 - シラユリ:
…騙すためにワザと別の感情を抱いている可能性もあります。
- 主人公:
- 感情を完璧にコントロールするバイオロイドなんているだろうか?
- エンジェル:
…そんなことよりも興奮の方が凄くて……どうして……
どうしてこんなに……このままじゃ……はぁ、はぁ…!! - エンジェル…もういいよ。ありがとう。
- エンジェル:
僕も…………あう……!
- 主人公:
- エンジェルの為にもこれ以上調べるのは止めておこう。
- とりあえず、拘束は解除してあげよう。
- レモネードアルファ:
大丈夫でしょうか?
- 殺意はないみたいだし。
- レモネードアルファ:
…わかりました。押収品の彼女のパネルも返しておきます。
- ありがとう、アルファ。
- 主人公:
- シラユリは部屋に入り、メルトの目隠しと手錠を外してパネルを渡した。
- 主人公:
- するとメルトはパネルに文字を書き込むと、その画面をシラユリに読ませた。
- シラユリ:
『最後の人間様、私は危険なバイオロイドです』
- メルト:
……
- シラユリ:
『最後の人間様についてはラジオで知りました。
とても温かく、優しい方だと聞きました』 - シラユリ:
『私は誰も傷つけたくない。私を受け入れることができないというのなら、
それは仕方のないことです。大人しく出ていきます』 - メルト:
……
- シラユリ:
…どうしましょうか?司令官。
- 主人公:
- メルトは目隠しを外してもずっと俯いていた。
きっと洗脳できる目を合わせないようにしてるんだろう。 - うん。解放しよう。とりあえず様子を見る。
- シラユリ:
はい?
- 傷つけたくないって言葉もきっと本気だよ。
- レモネードアルファ:
…旦那様がそこまでおっしゃるのなら……
- ありがとう。あ、でも……
- レモネードアルファ:
何でしょう?
- 念のために監視は付けておこう。
- レモネードアルファ:
監視だけで大丈夫でしょうか…?
- うん。大丈夫だよ。
- 主人公:
- もちろん、疑いが晴れているわけじゃない。
でもだからってずっとここに閉じ込めておくのも違うと思った。 - 主人公:
- エンジェルは俺の感情を読んだのか笑って頷き、
アルファはやれやれといった感じでため息を吐いた。 - レモネードアルファ:
わかりました。では彼女の部屋を用意します。